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2008年10月25日 (土)

カレシを作るなら

くわぁあああああ!!
と、秋の夜長に奇声一発。

男役、一口に男役と言っても様々なタイプの方がいらっしゃるわけですが、私はとある基準で男役さんを分けております。

南国ビーチでの熱々デートを想像したときその方の、
「愛らしいビキニ姿が想像できる」
「海水パンツ、もしくは褌姿しか想像出来ない」
そのいずれかで。

ちなみに現役時代のガイチさんはもちろん前者であり、まあ私の嗜好から言ってもどちらかと言うと前者でいらしてくれる方が色々と好ましいわけで、といいますかいくら現役男役さんとはいえ、後者の妄想が容易に出来る男役さんと言うのはさすがに数少ないわけであり、少ないとかそういう問題以前に、それが想像できるってのはどーなんだ?という話なんですけれども、ミズナツキ様ってそうじゃありませんか。
レーザーレーサーなんか着てイカした(←死語?)ゴーグルつけたりしてあのリッチな白い歯でニヒルに微笑まれたらもう、失神するほど男前なんじゃないかと。
過去にはコヅキワタル様が私の中でこの括りだったのですが(どちらかと言うと褌系?)ワタル様もいまやすっかりお美しい女性となられていやはや慶ばしい限りでございます。

と、いきなり失礼きわまりない戯言を申し上げましたが、要するに東宝で雪組観劇をしてきたぞ、と。
ミズ様の丈長めのキリリとした男らしい輪郭やら翳りあるシルエットやらに萌え萌えしてきたと、そういうことらしいです。ハイ。

さて、そんな海水浴デートすら容易に想像できる男前、ミズ様率いる雪組の「ソロモン&マリポーサ」
オギー先生&M塚先生という宝塚きっての精鋭コンビの新作はいかがであったか、今宵はねっちり語りたい次第でございます。
先ずオギー先生のショー「ソロモン……」ですが、まー言うたらパなく練られたショーで一度観たくらいではとてもとても。
この作品を最後にオギーがタカラヅカを去ってしまうなんて本当にウルトラションボリです。
闇に怪しく浮かぶ日食の、日輪がじわじわと紅の閃光を放ちリングになるなんてな抜群のビジュアルを幕開きから魅せてくれます。
構成、音楽、空間から色使いから丁寧に考え尽くされた極上リッチで濃厚なショー。これが30分なんて!
くくくく。勿体無さすぐる……(けど、30分だからこそのリッチ感というのもありか?)
もう、途中からはオギーの作り出す、隠微なのにどこか儚げな透明感のある魅惑的な画像に肌がプツプツと粟立つほどでした。
なかなか無いですよ。鳥肌立つほどこりゃスゲエエエエーー!!と思う作品って。
いやね、ヒッジョーに各方面に申し訳ないとは思うんですけどっ。
オギーを失ったら、他の座付きの先生では誰一人としてこのグレードのショーは作れないと思っちゃいましたね。思っちゃいましたよ。
他の先生方を宙吊りにして頭フリフリして「さあ、頭ん中のアイディアを洗いざらい出せー!!」と軽く拷問したところで、あの煌く宝石のような暗喩に満ち溢れた美麗な世界観は誰からも出てこないのではないかと思っちゃったわけなんです。わたくしは。
何よりもあの広い舞台に、あれほどの四次元的立体感を出せる人が他に思いつかない。
(棺桶を飛ばした草野先生は別の意味で天晴れです。はあと。)
リングのセットを斜め切りして、その中に黒の極楽鳥を満載に入れ込んでフワフワさせながら盆回すとか、一階席からはビジュアル半分しか見えてねーのに、胸ワクワクと期待させるようなあの意匠。なんであんなこと思いつくんでしょうね、流麗で幻想的な場面の繋ぎ方の巧いこと巧いこと……。
尤も、
「ここからここまではおらがスターの出番じゃ、どーだ!!客席拍手!!」的なノリを望んでいるヅカファンの皆さまにとってはおそらく物足りなさそうな展開だった感も否めないんですけど、わたくし的にはショー作品で初めて、
「妙なところで拍手を入れるとこの幻惑幻想世界を破壊するか知れんなー」
と、拍手を入れることを躊躇ってしまったような按配です。(身に染み付いたクセでやっちゃいましたが。)
そのヅカ的定番演出を半分くらい無視した自由度、ご自身の退団公演とはいえ、実はトンでもなくスゴいことだと思いましたよ。
オギ―先生ほどの才気があれば、外の舞台でも(今までもそうでしたが)これからはもっと自由に表現の幅を広げて行ける事と思いますが、たとえ諸々の制約は多いとは言え。
これだけの豪華衣装と(使い回しが多々あるとしても)舞台装置と常に生オケを使える所なんて外に出たらなかなか無いでしょうし、何よりも不思議パフォーマー集団、タカラジェンヌが舞い、演じるからこその幻想的な眩さというのはここでしか表現できないんですから、本当に勿体の無いことだと思う次第です。

続きまして「マリポーサ」の方。
M塚先生らしい、男気に溢れる骨太なお話でした。
えーと「1950年代、南米のどこか…」って、キューバっぽいですよねこれは。
腐敗しきった親米傀儡独裁政権の下、祖国の未来を憂える血気盛んな活動家達を、大人らしいクールさと芯に燃え盛る情熱で、ストイックに支えた男達の物語。
主人公の心情、男の友情、理想と挫折。幾多の戦火の中、他者を犠牲にして生き残り続けて来た自らの命に対しての思い、どれをとっても破綻の無い、ブレのない一本線の太さ。
とはいえ。
やっぱりこれって、800席くらいの箱で幕間入れて上演するともっとすばらしい作品だったかなーと。
(M塚せんせい作品のお約束ですけどー)

ま~~~たまた、このお芝居のミズ様とユミコ様が二人ともパないイイ男なんですのよ~、そこの妙齢のお嬢様!!
今から彼氏を作るなら、これくらい気骨があり、志高くしなやかで強い男がオススメですわよ、ま、こんな男達は生まれてこの方M塚先生の作品の中でしか観たことないんですけれども。
生きていれば、マリポーサの花を毎月この日に一輪君に贈る……なんてなキザったらしいことが似合うのはネロ様(ミズ氏)くらいしか居ないんですけども。
でもでも、スーツものの美学、ここにきわまれリだったのですわ。
もう、タメ息ものでカッコいい……あまりにも色気ありすぎる。いつまでもこの見事な人たちを眺めて居たい、でも長すぎる……場面の尺が……。静か過ぎる……。舞台が……腹が鳴る、周囲に響く、ああ、ちと憚りにも行きたくってきた……。時計をチラ見、げ、まだ開始45分か。あと1時間45分……(脂汗)
ま、そのように。
「このメチャクチャカッコヨス男達にズキュウウンと狙い撃ちされて心置きなくシビれまくりたいのだけど、どうも『一時間半、一時間』の尺に慣れ親しんだ身体に『三十分、二時間』の尺は何かと都合が悪い……」
的なジレンマに陥るので、ショーは100回観てもそらぁぁーードンと来い!!ですが、『ショー10回、芝居2回』なんて割引回数券があったりしたら丁度良く通えるであろうか、というよな按配でございました。

ということでして、雪組公演、たろう的には激お勧めです。今年観たタカラヅカ作品の中ではベストワンと申し上げたい。
海外モノが二本もあったのに、それを抑えてベストワンって言う私ったら勇気あるー!男らしいぃぃ!!あ、オレの背中に孤独の「孤」の字が!(←あ、なんかまた観てきましたね。)
まあ、ポップよりどっちかって言えばオルタナって人にはソロモンの世界が瞳と心と耳の奥深くに届くと思いますし、ワールドワイドな視点での近代史にご興味がある方には、マリポーサの脚本も味わい深いでしょうし、その辺りのニーズが合致している皆さまには雪組公演、相当ウケるんではないかと思いました。いや、マジで。

そして既にご覧になった方には蛇足でございますが、ソロモンではオウキカナメ氏が油断してるとチビるくらいに美しいビジュアルで登場されますから、未見の方は気をつけて下さい。っていうか、この人ったら、ゴージャス系の美人だけでも充分なのに、お芝居もずいぶん巧くなったなーと、結構感心してしまいますた。

最後に。勿論、月「ミーマイ」も星「ピンパーネル」もとても楽しかったでやんすのよ。
宙の「黎明…」花の「愛と死」もいろんな意味でおもろかったですし。花に至ってはたろう的には超のつくバカウケで(妹萌えだけでも爆笑なのに、兄弟で一人の男を争うBL風味??)書こう書こう、と思っている内に時期を逸しました。ひどく遅筆ですので、どうもそーいうことが多いわけでございます……。

と、いうわけで、次回は「孤独の孤の字が見えねえかーー!!」の感想などお届けしたいと思ってます。いや、初演を数回観た、という稀少?なお客の私から観ても、再演、そーとー面白かったっす。もう千秋楽になっちゃうから、まだの人はどうぞお急ぎ下さいませ。根性をお出しになって!!

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